類天ぽうそうという病気をご存じでしょうか。
外敵から体を守るはずの免疫の力が、誤って自分自身の皮膚を攻撃し、比較的大きな水疱ができてしまう病気で、皮膚表面の表皮と神経や血管などが通る真皮の境界部分にある、基底膜という部分を標的にしてしまうのです。
なぜこういったことが起こるのかは、まだはっきりとわかっていません。
類天ぽうそうの患者さんは高齢者の方、特に70～90歳の方に多いのですか、まれに若年層で発症することもあります。
全身のあちこちに、強いかゆみを伴う赤い斑点と、大きなパンパンに張った水ぶくれができるのか特徴です。
根本的な原因はわかっていませんが、多発性硬化症や潰瘍性大腸炎、糖尿病、関節リウマチを合併していることがあったり、ある種の抗精神病薬や利尿剤などの薬剤が影響したりするケースがあります。
病気の勢いは水ぶくれの個数や、血液の中に存在する、基底膜に存在するタンパク質に対する抗体の値を参考にします。
治療は副腎皮質ホルモン、ステロイドの内服が第1選択です。
軽症の場合、ステロイド外用薬やレクチゾールという薬を飲むことでコントロールすることもあります。
最近は、ステロイドの内服に代わり、ミノサイクリンまたはテトラサイクリンという薬とニコチン酸アミドという薬を併用する治療や、ロキシスロマイシンという藁を服用する方法の有効性がわかり、第1選択治療にかわってきています。
重症の場合、免疫抑制剤や血漿交換療法を併用したり、多量のステロイドを計画的に使用するパルス療法を行ったりします。
海外では、大量の免疫グロブリンを注射する治療の有効性が検討されています。
わずかな摩擦や圧迫刺激で水ぶくれができますので、注意が必要です。
患部に直接ぽんそうこうを貼らないほうがいいでしょう。
ガーゼで病変全体を覆うようにしましょう。