マダニの話

暖かい季節になり、屋外で活動する機会が増えるのではないでしょうか。
気をつけなければいけないのが、虫刺されです。
中でもマダニに注意してください。
家の中に生息し、アレルギーの原因にもなるイエダニのような小さなダニではなく、硬い外皮で覆われた大きなダニです。
8本の足を持つ、クモやサソリに近い生き物です。
動物の血を吸って生きており、血を吸われる時に、マダニの体内に存在する病原菌に感染することがあります。
ニュースにもなりましたが、2013年に初めて国内確認が報告された重症熱性血小板減少症候群の原因であるSFTSウイルスも、マダニが保有する病原菌の一つです。
中国地方、九州地方で感染者が確認されていますが、北海道含め、東日本、北日本では、今のところ感染の報告はありません。
北海道で問題になるのは、ライム病という病気です。
これはマダニの体内に存在するボレリアという病原菌により生じる病気です。
刺された部分を中心に丸い輸っか状の赤みが出て、筋肉痛や関節痛など風邪のような症状が表れます。
治療せずに放置していると、顔面神経まひや角膜炎、髄膜炎などの症状が出現する場合もあります。
マダニのうち、シュルツエマダニというダニにかまれることで発症します。
1 9世紀後半にヨーロッパで報告され、その後アメリカで流行が続いています。
日本では1986年に初めて発生が報告されました。
ただし今のところ、道南地域では、マダニによる感染の危険性はそれ程高くないと考えられています。
マダニは皮膚にかみつくと、唾液腺からセメントのような物質を流し込み、固着するため、皮膚から離れづらくなります。
無理に取ろうとすると、マダニの頭が残ったり、マダニ体内の病原菌が流入したりする危険性が高まるので、医療機関を受診することをお勧めします。

2025年06月06日