冬に向けて、皮膚の栄養
皮膚は新陳代謝を活発に繰り返し、細菌やウイルスの侵入を防ぎ、体温を調節する働きを担っています。
皮膚に栄養素を補給し、健康な状態を保つことはとても大切なことです。
皮膚の中には網目状に張り巡らされたコラーゲンが存在しています。
その主な原料はアミノ酸です。
コラーゲンを合成するにはタンパク質とビタミンCが不可欠です。
ビタミンCにはメラニン色素の変化を防いだり、鉄分の吸収を助ける働きもあります。
通常の食事をしていれば、ビタミンCが不足することはありません。
しかし偏食している場合や抗生物質を服用している場合、腸内細菌が変化して、ビタミンCの合成が低下してしまうことがあります。
ビタミンCを多く含む食品として、トマトやブロッコリー、イチゴ、ホウレンソウ、芽キャベツなどがあげられます。
さて、冬の季節、寒さにさらされると皮膚の血液の流れが低下します。
こういった時に起こるのが、しもやけです。手足を中心にかゆみや痛みを伴い、赤紫色をした、腫れや水ぶくれが生じます。
予防や治療に役立つのが、ビタミンEです。
ビタミンEには皮脂の酸化を防ぐ効果や、血行を良くする作用があります。
ビタミンEとともに、ビタミンAは抗酸化ビタミンと呼ばれています。
ビタミンAが不足すると、皮膚表面が厚くなり、乾燥しやすい状態になります。
ビタミンEは植物油やアーモンド、落花生、タラコや筋子に、ビタミンAはウナギやレバー、マーガリン、バター、卵、牛乳などに多く含まれています。
寒い時寒い時期、しもやけ対策とし、手足や耳を防寒することはいうまでもありませんが、栄養面からもビタミンを含む食材を意識して食べた方がいいかもしれません。
ただし、ビタミンAやEは水溶性のビタミンCと違い、脂溶性で、体に蓄積しますから、極端な取りすぎには注意してください。