冬のスキンケア
朝晩の寒さを感じる今日この頃、冬の足音が聞こえる季節になりました。
気温の低下に伴い増加するのが、乾燥による皮膚トラプルです。
皮膚の潤いは主として、次の三つの要素によって決まります。
皮脂腺という器官から分泌され、皮脂膜を形成する皮脂、セラミドに代表される角質細胞間脂質、そして角質細胞の中にある、アミノ酸が主成分の天然保湿因子です。
これらにより水分の蒸発を防ぎ、皮膚のバリア機龍や保湿機能が発揮され、皮膚の潤いが保たれます。
皮膚表面に存在する角質層の水分含有量は通常15%ですが、10%を下回ると、外界からの刺激に弱くなると言われています。
空気中の湿度が50%を切ると、角質層の水分は急激に蒸発しやすくなります。
皮膚の突っ張りを感じる時は、角質層の水分含有量は既に10%以下になっていることが多いのです。
かゆみを感知する知覚神経の神経線維は、皮膚の乾燥がすすむと、皮膚表面にまで伸びてくることがわかってきました。
そのため、普通では問題とならないような軽い刺激にも反応してかゆみが起きやすくなります。
かゆみが起こると、どうしても引っかいてしまいますが、そうすると、皮膚が傷つき、そのバリア機能が低下してしまいます。
入浴時、体をゴシゴシとこすって洗う方は多いと思いますが、こすればこするほど皮脂が必要以上に落とされ、さらに皮膚表面の角質層もそぎ取られてしまいます。
つまり、体をきれいにするはずのこする行為は、皮膚の乾燥を誘発し、外からの刺激が入りこみやすい状態を作り上げてしまう行為なのです。
ですので、入浴時には、タオルを使用せず、せっけんを手で泡立てて優しく洗うのか一番です。
入浴後少し多めに保湿剤を塗るのも乾燥予防には役立ちます。