男性型脱毛
テレビのコマーシャルで耳にしたことがあるかもしれませんが、「AGA」という病気をご存じでしょうか。
遺伝や生活環境など、さまざまな要因で発症すると考えられている男性特有の脱毛症のことです。
原因はまだ完全には解明されていませんが、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが影響していることは分かっています。
このジヒドロテストステロンは、テストステロンという男性ホルモンが、体内で変化して作られます。
胎児の外性器を作る重要な役割を持っているホルモンです。
また、思春期以降、大人になると、ニキビや前立腺肥大などに関わるホルモンでもあります。
AGAでは、ジヒドロテストステロンが毛根近くの細胞に結びつき、髪の毛の持つヘアサイクルが乱されてしまいます。
そのため、髪の毛が太く長い毛に成長する前に抜けてしまうのです。
細く短い髪の毛が増えるために、全体的に薄毛が目立つようになります。
AGAには数種類の脱毛パターンがあり、日本人男性では、左石両側の前髪が抜けて、額が後退し、頭頂部も薄くなっていくタイプが多くみられます。
現在、AGAの治療の中心は、フィナステリドという飲み薬です。
これはジヒドロテストステロンが作られる部分を抑える働きがあります。
即効性はありませんが、1年服用した後の有効率(「やや有型」以上)は80%くらいあります。
ただし、「中等度以上」の改善は35%程度です。
AGAの進行を止めるという点では、90%以上の効果が確認されていますが、毛髪の再生という点では、なかなかすぐには効果が表れません。
つまり、ゆっくりとした速度で、緩やかに改善する薬なのです。
健康保険が使えない薬ですが、最近ジエネリック医薬品も発売されました。