髪の毛の話
髪の毛には毛周期という、生えかわりのサイクルがあるのをご存じでしょうか。
成長期、退行期、休止期という三つのサイクルがあり、これを一生操り返しているのです。
人の髪の毛では、成長期が一番長く、2年から6年間続きます。
そして髪の毛が抜けていく退行期が2、3週間あり、休止期が3、4カ月続きます。
髪の毛の約85%が成長期の状態になります。
人の毛穴は全身に500万個ほどあり、頭には数万本から十数万本の髪の毛が存在しています。
毛周期から考えると、自然に抜け落ちる髪の毛の本数は、1日に数十本から200本ほどです。
ですから、髪の毛がたくさん抜けたからといって、それが全て病気というわけではありません。
さて、脱毛になる病気はさまざまです。
例えば、高熱が長く続いた後に生じる脱毛があります。
インフルエンザや肺炎などの感染症の後に髪の毛が抜けることもあります。
発熱してから髪の毛が抜けるまでの期間は、平均すると2カ月半あるので、その関連に気づかない方が多いようです。
また、出産後に髪の毛が抜けやすくなったという話を耳にされた方や、実際に体験された方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
脱毛は出産後2~4カ月後に始まることが多く、ある調査によると、出産3カ月以後では、約半数のお母さんが脱毛を自覚しているそうです。
その原因は主に妊娠後期に増加する、エストロゲンというホルモンのようです。
多くの髪の毛が妊娠後期にそのホルモンの影響を受け、成長期から休止期に移行せず、自然の毛周期が遅れた状態になっています。
それが出産後、急激に休止期に移行し、抜け始めると考えられているのです。
出産後の経過は個人差がありますが、2カ月から半年後には回復する方がほとんどです。