かゆいからかいてしまう?

鳥肌が立つ、手に汗握る、冷や汗をかく、赤面するという言葉があり、心の状態と皮膚の変化は密接に関係しています。
皮膚は常に心理状態の影響を受けて変化すると言えます。
疲労、ストレスによりニキビやアトピー性皮膚炎が悪化したり、じんましんが出たりすることを経験された方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
アトピー性皮膚炎においては、かゆみは切っても切り離せない症状の一つです。
緊張や怒りを感じた時に、かく行為が起こる場合があります。
かくことにより、気が紛れたり、落ち着いたりして精神的な快感が得られます。
それが続くと無意識にかく行為が習慣化し依存する場合があります。
かゆみを感じなくても、かかないとイライラし、かくことを止められない状態になることがあるのです。
もちろん、乾燥した皮膚におけるかゆみ神経の過敏さや、アレルギーの関与といった理由でかゆみが生じ、かく行為につながるのは言うまでもありません。
しかし、かく行為の中には「癖」になってしまっている部分もあるのです。
アトピー性皮膚炎のみならず、その他の皮膚病の中にも、無意識にいじって症状をこじらせたという状況に遭遇することがあります。
傷が治ってきた時にできる「かさぶた」をつい取ったり、ニキビをつぶしたりして、症状をこじらせたことはないでしょうか。
「癖」を治す薬というものはなかなかありません。
治療する上で重要なのは本人がその行為を自覚することです。
現代医療はとかく薬に頼りがちです。
さまざまな薬が開発されたからこそ、われわれは病気に打ち勝つことができているのは確かです。
しかし、自分自身の力で制御、克服しなければいけないこともあるのです。

2024年02月06日