「アトピー」という言葉
「アトピー」という言葉の語源はギリシャ語のATOPOSに由来しており、「奇妙な」「不思議な」「とらえどころのない」と言った意味です。
1923年、家族内・家庭内に発生する奇妙なアレルギー病を指し、先天的に過敏症を起こしやすい体質のことを「アトピー」と名づけられました。
1933年アメリカの皮膚科医ザルツバーガーは、体質性湿疹、内因性湿疹などと称されていた病気がアレルギー病の範疇に入るとして、これらを一つにまとめて「アトピー性皮膚炎」という病名を提唱しました。
現段階でアトピー性皮膚炎という病気を最も端的に示しているのは、『アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解(良くなったり、悪くなったり)を繰り返す、痒みのある湿疹を主病変とする
病気であり、患者の多くはアトピー素因をもつ。』という1995年に日本皮膚科学会が示した定義でしょう。
「アトピー素因をもつ」というのは、「気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかの既往歴(これまでに患ったことがあるということ)があるか、家族にもそれらの病気にかかった人がいる。
そしてIg-E抗体(アレルギー疾患で高値を示すことが多い血液中の成分)をつくりやすい体質」ということです。