とびひの話
「とびひ」という病気をご存じでしょうか?
これは伝染性轢織といって、細菌の感染によって起こる病気です。
原因となる菌は主に黄色ブドウ球菌と溶連菌です。
お子様に発生しやすい病気ですが、その始まりは虫刺されやカプレ、湿疹、すり傷など日常ありふれた皮膚トラブルであることが多いのです。
とびびの症状ですが、
黄色ブドウ球菌によるものは水疱(みずぶくれ)やびらん(皮がむけた状態)が主で、溶連菌によるものは痴皮(カサブタのようなもの)が主です。
黄色ブドウ球菌は鼻の中に存在しているため、鼻の周囲は、とびひが起こりやすい部分です。
また脇の下や脇腹など、汗が多く、摩擦が加わりやすい部分にも、よく見られます。
とびひの治療は抗生物質の内服・外用が基本となります。
かつては、水疱などの病変を消毒するのが一般的でしたが、消毒によるカプレや痛み(お子様にとっては大変な苦痛)、さらには内服薬・外用薬でほとんどが治るという事実から、行わないようになってきました。
プールや湯船につかるといった水の中に入る行為は避けた方がいいのですが、患部をシャワーで清潔にすることは積極的に行った方がいいのです。
患部をガーゼや包帯、ぽんそうこうなどで常に覆っていると、その温度・湿度を上げ、治りを遅らせますので、痛みがなくなったら極力開放するのが望ましいといえます。
とびひが良くなってもすぐに再発するお子様が、時にいらっしゃいます。
そういったお子様の中には、鼻をいじる癖を持っている方が多いのです。
心当たりがある方は注意してみてください。