寒くなる時期に向けて

暑さや寒さの中で、少しでも良いコンディションを維持するために、皮膚は体の最前線でその身を守っています。
皮膚には体の水分バランスを維持し、紫外線や病原菌など外界からの攻撃から体を守る働きがあります。
さらに、体温を調節する働きもあります。
運動などで、体温が上昇すると、血管が拡張し、汗をかき、熱を放散します。
また気温が低いときには、血管や起毛筋の収縮が起こり熱放散を防ぎます。
秋も深まってくれは、いずれ寒い季節はやってきます。
寒くなってよく見られる皮膚トラブルは凍瘡(=しもやけ)です。
手・指・足を中心にかゆみや痛みを伴い、赤紫色をした、腫れや水ぶくれ、タダレが生じます。
凍瘡が起こる背景に遺伝的な要素があると考えられています。
寒さにさらされると血液の流れが低下しますが、その回復能力が低下しているのではないかど推定されているのです。
凍瘡は暖かくなれば自然に治ることが多いのですが、いざ凍瘡になってしまうとつらいものです。
そこで大切なのはその予防です。
寒い時期に手足や耳を防寒することはいうまでもありませんが、ぬれたり、湿ったりしたまま冷えるのは良くありません。
靴下や手袋がぬれたら、早めに取り換えてください。
きつめの靴を履いたり靴下を重ねたりすると、循環が悪くなるので注意が必要です。
凍瘡の治療に用いるビタミンEやニコチン酸トコフェロールなどは寒くなる前に予防的にやや多めに摂取しておくことが有効です。
料理に使う植物油には、これらの栄養分がたくさん含まれています。
昨今は塩分や油分の摂取を控えるようになっていますが、取りすぎないも良くありません。
寒さに向かう時期に、調理に植物油を多めに取り入れると予防になります。

2022年11月01日