顔・耳に帯状疱疹

子供の頃、水ぼうそうにかかったことがある人は多いと思います。
水ぼうそうが治ってもその原因ウイルスが体の神経組織(神経節)に残り、潜伏してしまいます。
ちょっとしたきっかけ、例えば疲れやストレス、風邪をひいた後など、免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが活性化し、痛み、水ぶくれ、赤みを皮膚や粘膜に生じさせることがあります。
これが帯状疱疹です。
帯状疱疹は体の神経の形にそって現れます。
神経は左右2対ありますが、帯状疱疹が出現するのは通常、体の左右どちらか半分です。
よく、体を一周すると命に関わると言われますが、それは迷信です。
さてこの帯状疱疹が耳やその穴周囲の神経にそって出現すると、耳やその近くにある顔の神経にダメージが出ます。
帯状疱疹に加え、難聴や耳鳴り、めまい、さらに顔面神経麻痺が出現することがあります。
これを発見した医師の名前からハント症候群もしくは、ラムゼイハント症候群と呼びます。
耳の周りや耳の中、さらには口の中に痛み(激痛になることもあります)が出て、水ぶくれや赤みがあれは、帯状疱疹の可能性があります。
耳の聞こえが悪くなったり、耳鳴りがしたり、ふらふらとしためまいや顔の半分に麻痺が現れた場合は、ハント症候辞が疑われ、確定診断をするためには耳鼻科を受診する必要があります。
治療は、原因ウイルスに対する抗ウイルス薬、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)の飲み薬もしくは点滴薬を使用します。
入院が必要になる場合もあります。
顔面の麻痺は、その程度によって残る場合もあります。
耳の聞こえ方も完全に戻らないこともあります。
異常を感じたら早めに病院を受診するようにしてください。

2022年10月01日