乾燥によるお肌のトラブル

暑い夏がいつのまにか終わり、寒い季節がやってきました。
冬に多い皮膚トラブルは、「しもやけ」に代表される寒冷によるもの、「ヤケド」など暖房器真によるものなどさまざまです。
中でも乾燥によるトラブルが近年増加しています。
乾皮症や皮脂欠乏性湿疹と呼ばれているものがそうです。
乾燥によるトラブルが起こる背景には湿度の低下があります。
住宅の気密性の向上に伴い、冬の室内の湿度は30%もしくはそれ以下に低下します。
ある程度年齢を重ねると、毛穴から分泌される皮脂の量が減ってしまいます。
女性の場合、早い人で二十五歳を過ぎたころから、男性でも五十歳を過ぎるころから皮脂分泌は低下してしまいます。
さらに皮膚表面の角質層に存在する、「セラミド」などの「角質細胞間脂質」や「天然保湿因子」の主成分である「アミノ酸」の合成量も低下します。
その結果、皮膚は水分を保持できなくなり、乾燥し、外部刺激から身を守る「バリア機能」が低下してしまいます。
冬になり、すねや腕、腰などが「粉がふく状態」になったり、かゆくなったりするのはそのせいです。
かゆみが起こると、どうしてもかいてしまいます。
しかし、そこかく行為により、さらなるかゆみを誘発し、「かゆいからかく、かくからまたかゆくなる」という「かゆみの悪循環」が起こります。
かゆみを強くさせないためには、日常生活上の注意が必要です。
せっけんやシャンプーを選ぶときは洗浄力の強いものを避け、使用量も最低限にする必要があります。
それ以上に注意が必要なのは、入浴の際に行う、擦る行為です。
「あか」や皮膚表面のカサカサを落とす目的や長年の習慣から、ごしごしと体を擦って洗う方が多いようです。
この擦る行為によって皮脂が失われ、皮膚表面の角質層もそぎ落とされてしまいます。
つまり、擦れば擦るほど、皮膚の乾燥、かゆみが誘発されてしまうのです。
入浴時には、タオルを使用せず、せっけんを手で泡立てて優しく洗うのか一番と言えます。
入浴後に保湿剤を塗るのも役立ちます。
保湿を目的にした入浴剤の使用も有効です。

2021年12月02日