「やけど」について

お湯や熱い油、ストーブ、アイロンなど、やけどの原因は私たちの身の回りにたくさんあります。やけどの程度は、その深さと面積によって判断します。
深さは浅いものから深いものになるにしたがって、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度、Ⅳ度というふうに分類します。簡単に説明しますと、

Ⅰ度は皮膚の表面(表皮:ひょうひ)のみが損傷を受けます。
皮膚が赤くなり、ヒリヒリ感が出ますが、だいたい数日で治ります。

Ⅱ度(浅い)は表皮の下、真皮(しんぴ)の浅い所までの損傷で、赤くなってから、水疱(みずぶくれ)ができます。2週間程で表皮が再生し傷が治ります。色素沈着(しきそちんちゃく)が残りますが、月日がたてば消えていきます。

Ⅱ度(深い)は真皮の深い所までの損傷で、水疱ができ、皮膚が白っぽくなります。
治るまで2週間以上かかり、傷あとが残ります。

Ⅲ、Ⅳ度は真皮を越え、皮下脂肪(Ⅲ度)や時には筋肉や骨(Ⅳ度)まで損傷したものです。こうなると、もはや水疱はできず、灰白色や黒色になり、「壊死(えし)」という状態になります。そのままでは自然に皮膚が上がっていくことはなく、手術をし、壊死した部分を取り除く必要があります。

大人の人が体表面積の30%のやけどを負うと生命にかかわります。
体液が流出し、血圧が低下しショックという状態に陥るからです。さらに表皮という防御壁がなくなるため、細菌などに感染してしまう危険性も高まります。
尚、これはあくまでも目安ですが、小さいやけどの場合、手のひらの面積が体表面積のだいたい1%ですので、これを元に受傷した面積を計ることができます。
やけどをしたら、すぐに水で冷やして下さい。そのままにしておくと、やけどが深くまで進むことがありますので、冷水で30分は冷やす必要があります。
手をやけどした場合、指が腫れてくることがあります。指輪をつけたままにすると、取れなくなりますので、はずすようにして下さい。
重症度にもよりますが、やけどをした場合は、出来るだけ早く、医療機関で処置を受けるようにして下さい。

2020年09月24日