「帯状疱疹」について

みなさんは帯状疱疹(たいじょうほうしん)という病気をご存知でしょうか?
北海道函館を中心とした道南地域の方には以外とよく知られた病気のようです。
というのも、ここ道南地域では昔から帯状疱疹はとても恐ろしい病気で体を一周すると命に関わる病気であると思われているからです。
しかし、帯状疱疹は一般に体を一周するというようなことはありませんし、命に関わるということもありません。
では、この帯状疱疹とはいったいどんな病気なのでしょうか?
実は「水痘帯状疱疹ウィルス(すいとうたいじょうほうしんウィルス)」と言われる、「みずぼうそう」のウィルスが引き起こす病気なのです。大抵の人は子供の頃に「みずぼうそう」にかかっているか、もしくはそのワクチンを接種していると思われます。
「みずぼうそう」にかかったり、ワクチンを接種したりした後も、ウィルスは体内に残ってしまいます。普段は自分の抵抗力、免疫力でこのウィルスを押さえ込んでいるのですが、寝不足や疲れ、ストレス、風邪などの病気の前後のように、体力が落ちてしまった時に、ウィルスの押さえ込みが弱まり、活発化することがあります。
これが、帯状疱疹なのです。「みずぼうそう」のウィルスは神経の中で活発化します。これにより痛みを感じるのです。帯状疱疹の初期の症状はこの痛みが主で、しかも皮膚の変化はほとんどありません。ですから、筋肉痛や神経痛と勘違いされることが多いようです。
ウィルスが活発化するのは背骨の両脇に存在する「神経節(しんけいせつ)」から左右に伸びるどこかの神経の中ですので、症状は体のどちらか半分にしか現れません。
痛みに続き、皮膚には赤みと水ぶくれができてきます。
治療ですが、現在はこのウィルスの増殖を抑える薬が開発され、高い効果を示しています。
やっかいなのは、帯状疱疹が良くなった後も「帯状疱疹後神経痛」という痛みが続くことがあることです。できるだけ早い時期に治療することで、その発症を食い止めることが可能です。またこの痛みは冷えると悪化するこが多いのです。痛いからといって冷やさず、逆に温めると結構楽になります。
治療開始時期が後々に影響を与えます。
おかしいなと思ったら、早めの受診をお勧めします。

2020年09月14日