「水虫」について

「水虫」はありふれた病気です。では、いったいどんな病気なのでしょう?
「水虫」はカビの一種である、皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)の感染によって起こります。この菌は白癬菌(はくせんきん)とも呼ばれています。ですから「水虫」のことを、足白癬(あしはくせん)といいます。
足白癬以外にも、体部白癬(たいぶはくせん)や股部白癬(こぶはくせん)という病気があります。これらの通称は、タムシ、インキンタムシです。つまり、タムシやインキンタムシというのは、「水虫」と同じ白癬菌によって起きる病気なのです。
実は「水虫」やタムシ、インキンタムシの原因である白癬菌は、皮膚の一番外側の角質層(かくしつそう)や手、爪などに存在する、ケラチンというタンパク質を栄養源として増殖しているのです。さて「水虫」ですが、その症状は様々です。
以下がその分類です。

① 足の趾(ゆび)の間がむれてジュクジュクし、かゆくなる、趾間型(しかんがた)
② 小さな水ぶくれができる、水疱型(すいほうがた)
③ 皮膚が硬くなり、ひび割れを起こす、角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
④ 爪が白く濁り、分厚くなったり、ボロボロと崩れたりする、爪白癬(つめはくせん)

このうち、角質増殖型と爪白癬はかゆみがなく、気付きにくく、更にそれが「水虫」であるという認識がないため、放置されることが多いようです。
逆に「水虫」だと思っていて、実は違うものも結構あります。
主なものとして、湿疹・皮膚炎や汗疱(かんぽう)、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)といった病気があります。これらに対して、いくら「水虫」の薬を塗っても良くなりません。「水虫」の治療で重要なのは、それが、「水虫」であると診断することです。
その上で適切な治療を行う必要があります。
治療方法は塗り薬が中心になりますが、治りづらい爪白癬や角質増殖型のものには飲み薬を使用する選択肢もあります。

2020年07月13日