何もしないスキンケア?
皆さんは、お肌がカサカサしているなと感じたことはないでしょうか?
今回、以外と知られていない、お肌の手入れ方法についてお話したいと思います。
皮膚の潤いを決める要素が3つあります。
それは、①皮脂(ひし)②角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)③天然保湿因子(てんねんほしついんし)です。
人の皮膚は角質(かくしつ)という硬い殻のようなもので覆われており、個々の角質細胞はレンガを積み上げたような構造をしています。その表面を皮脂(毛穴から分泌されています)が包み込んでいるのです。更に角質細胞の間にはセラミドという物質を中心として脂質が充満しています。また、角質細胞の中にはアミノ酸を中心に天然保湿因子が存在しています。これらの働きによって、お肌の潤いが保たれているのです。
お風呂で行うことが多い「垢こすり」、かつての1ヶ月に数回しか入らないような入浴習慣ですと、実際に垢が皮膚の表面にたまり、強くこすることに意味があったと思います。
しかし現在の日本における、ほぼ毎日入るような入浴習慣では、こするという行為は、皮脂を洗い流し、いたずらに皮膚をそぎ落とす行為でしかないのです。
このことにより、皮膚のバリア機能は著しく阻害されます。その上、皮膚が水と接触し続けると(長湯を続けると)、潤いを決定する要素の1つである、天然保湿因子が流れ出てしまうのです。お風呂に入ってきれいにしているつもりの行為は、実は外来刺激が侵入しやすいような状態にしてしまう行為なのです。
カサカサ肌をつくらないためには、できればタオルを使用せず、石鹸を手で泡立て、優しくなでるように洗う。これが一番なのです。
何もしないかのような、このスキンケア、皮膚を健やかに保つ秘訣です。
物足りないと思われるかもしれませんが、実践してみて下さい。